2016年6月5日日曜日

庭の暗渠排水をDIY

自宅の庭の暗渠排水工事を自前でやった。
暗渠排水についてはネットに情報が少なく、あれこれ迷いながらの作業だった。
同じような問題を抱えるごく少数の人には
こんなことでも参考になると思われるので公開しておこう。

そもそものきっかけ


自分の家は南に向かって上る坂の途中にある。
接道は西側、庭は南側にあり、東側が奥になる。
南側にも東側にも家が建っており、
南側の家は斜面ということもあってうちより一段高い。

この地域は水がしみ出しやすいらしく、
我が家も例外ではない。
特に南東の角がひどく、数十センチ掘っただけで水がわく。
夏でも庭の土は乾かず、苔のような植物が絶えずはりついていた。

住み始めて一、二年は建物の周囲の土を削ったり、
防草シートを張るなどしてごまかしていたが、
家の中の家具の裏など、
通気が悪いところにカビが生えることがあったりしたので、
あれこれ調べて暗渠排水に挑戦した。

一度目の工事


最初の工事は2013年、
庭の東南の角から、隣地境界に沿って道路側に溝を掘り、
暗渠排水用の土管を埋め、ガーデンロックをかぶせた。
土管は小田製陶所さんのものを使った。



一番状況が悪い南東の角から下りの水勾配をつけるため、
しかも勾配をけっこう取ってしまった(最低でも3%)ために、
南東側は10数センチしか土を掘り下げられなかった。

そのため、これで効果があったかといえば、
まあやらないよりはまし、いやほとんど効果がなかったということを、
自分は3年後に知ることになる。

二度目の工事へ


二度目の工事は2016年。
うちの相方に目隠しフェンスを作るようたのまれたのがきっかけだ。
最初は暗渠の外ぎりぎりのところにフェンスの基礎を建てようと
直径10センチ、深さ40センチほどの穴をあけたところ水が出た。


この前二日間くらい雨だったせいもあるが、
この水のわき具合には驚いた。
次の休日まで作業ができないので一週間見守ったが、水は引かない。
事態は深刻だった。

ネットで調べると「とにかく掘れるだけ掘って粘土層を貫通できれば排水できる」
という記述が見つかったので、
複式スコップを購入して試してみた。
が、1メートル掘ってもだめだった。

掘りながら気づいたのだが、
深い層の粘土は非常に硬いが水気は少なかった。
ということは、降った雨は土の層を通過するのだが、
その下の粘土層との境で止まってしまうということだろう。

それではということで、暗渠を建物側にずらすことを考えた。
掘った縦穴を一度埋め戻し、
土地境界から50センチくらい建物側に
幅30センチ、深さ40センチくらいの溝を掘ってみた。
そこから水がしみ出せば、既存の暗渠部分にフェンスの基礎を作れる。

しかし、なぜか水は出なかった。
そこまで水の勢いがないということだろうか。
庭には暗渠に向けて水勾配が作ってある。
おそらく降った雨の水はちゃんと排水されていて、 問題のわき水は擁壁の下を通ってきている。
やはり土地境界付近で水を始末せねばならないと判断した。

考えた末にこうすることに決めた。
  • 既存の暗渠の幅を広げ、深さも掘り下げる。
  • 暗渠の擁壁側にフェンスの基礎の穴を掘る。
  • 土管は暗渠の建物側に埋める。

いざ、工事


2%の水勾配を取りながら土を掘り直し、
フェンスの基礎穴を作ると、案の定水がわきだした。
この水もまた、時間がたっても減らなかった。


暗渠の底にフェンスの基礎を埋めるということは、
フェンスの支柱の根元部分約40~50センチが暗渠の中にあることになる。
これでは支柱に木材を、使えなくはないだろうが長持ちはしなさそうだ。
そこで今回は費用も考えて単管パイプを使うことにした。
これで万全とは言い切れないが、木材よりは水に強いだろう。
数年に一度根元を掘ってみて、必要ならさび止めを塗ろうと思う。
基礎はネットを参考に、塩ビ管とコンクリートで作ることにした。



フェンスの支柱を入れ、垂直を確認しながら砂利で固めた。
砂利にしたのは水を出しやすくするためだ。
やってみると狙い通り水がわき出し、
水勾配に従って流れた。
あとは砕石で溝を埋めるだけだ。

砕石を探すのは一苦労だった。
近所のホームセンターには砂利やサイズの小さいもの(6号砕石)しか売っておらず、
しかも必要な量を割り出すとかなり費用がかかる。
ネットで見つけた近所の生コン屋さんや建材屋さんに聞いても、
「うちには40-0しかない」との答え。
40-0とは、砕石の大きさが40mmから0mmということで、
生コンを練ったり地盤を固めるのに使われる。
大きさが不揃いなため、これを使うと石と石の隙間に小さい石や粉塵が入ることで
コンクリートや地盤が締まるのだが、
逆に水の通りは悪くなるため、今回は使えない。

一件の生コン屋さんが建材屋さんを紹介してくれた。
意外にも自宅近くのお店だった。
そこに電話したら4号砕石を販売しているとのこと。
配達料込でホームセンターで20kg袋を買うのの半額だったので、
そちらで1立米注文した。



暗渠に透水シートを敷き、砕石を埋めた。
透水シートと書いたが、実際は園芸や畑で使う防虫ネットを利用した。



駐車場から工事箇所の途中にバルコニーの支柱があって台車が入れず、
ねこ車もないため、運搬作業では相当疲れた。

暗渠の砕石の上に化粧砂利をかぶせた。

工事前の計算通り砕石が2割弱残ったが、
将来ウッドデッキにする予定の場所に、
防草シートを張り替えた上で撒いた。


これで暗渠排水工事は完了した。
排水以上に防草シートがむき出しだった庭がきれいにおさまったことがうれしい。

次はフェンスの設置だが、
これについてはDIYでやる人が多く、
情報量も多いので、
自分が載せるまでもないだろう。
なにか他のケースとちがうことがあれば書いてみたいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿